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株式会社キャリアファクトリー21は社員の意識改革を専門とする育成指導コンサルティング企業です。

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時事コラムRepresentative director's column

人材確保の考察-4

 これを読まれている方々も経験があるだろう。
それは様々なソーシャルネットワークに数多くの研修に参加した様子をアップしている方々の姿。
それ自体は悪くないと思うし,積極的に参加される姿は素敵だとも思う。
新しい介護テクニックを身につけ,施設の中に導入する意識も高そうである。

ただ少しばかり立ち止まって考えてほしい。
はたして自らが得た知識を周囲のスタッフに伝え,持ち場や施設全体に広めている方がどの程度いるだろうか?
個々のスキルを上げるための研修ではあるが,
介護はチームで行うものである。
広い意味では仕事は一人ではできないのである。

ある特定の人が素晴らしいスキルを身につけたとしても,それを周囲のスタッフが実践できなければ学んだ価値は半減すると言わざるを得ない。
個々の持つ介護テクニックと組織が円滑に機能することは両輪であるといえる。
業界の端から見ていると意識はテクニックやスキルの向上ばかりに目が行きがちのような気がするのは私だけだろうか。

組織のパフォーマンスはこのような数式で表せばよいだろう。

1人平均5の業務パフォーマンスと仮定する。

そのうちの1人が学びの中で10までパフォーマンスを上げられるようになったとする。
1人×10の力+9人×5の力=55パフォーマンス

次の数式は学んだ人が周囲に働きかけを行い全体のパフォーマンスを(+2)上げることに成功したとする。
1人×10の力+9人×(5+2)の力=73パフォーマンス

どちらが効果的かは数字を見れば一目瞭然である。
これを実現するにはチームとして機能する力がそこに存在するか否かにかかっている。
もちろん伝える人の信頼度や周囲のスタッフとの良好なコミュニケーションが存在していることが前提条件である。
伝える能力に必要な「言葉や模範的態度」を備えているか,相手に自分の持つ影響力を与えられるかも必要項目だろう。

離職の少ない施設は後述の数式が充実しているように感じる。
そこには
「私たちの施設」なのだという意識,「円滑なコミュニケーション」そして「共に働く仲間への友好的態度」,リーダー自身が持つ意識として「職員を育成することは私の使命だという覚悟」が存在している。

離職の続く施設を訪問すると必ず目にするのが「高圧的態度のリーダーや管理職」が存在する。
「私の持つスキルは私だけのもの」であり「仕事のできない人はその人自身が悪いのだ」という考えが蔓延している。

経営管理の部門からすれば大変な思いをし,人を確保しても「早ければわずか数日,1ヶ月で辞めていく」人たちがなぜ頻発するのかを考えてほしい。
辞める結果があれば辞めなければならない原因がそこには存在する。
いくら個人が介護テクニックや介護スキルを学んだとしても,それを広め,円滑なチームとして機能させなければ真の離職防止にはならないのである。

何度もいうが人材の確保とは定着を伴っての確保でなければ意味がないのである。
改めて問いかけてみる。
なぜせっかく入った職員は辞めていくのか,辞めなければならないのか,何が足りなかったのか。
では施設として最初にどこをテコ入れすればよかったのか?
たまごが先か,ニワトリが先か,確保が先か定着が先か。

さぁ,あなたなら何から始めよう?


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